京都市で不動産を高く売るなら「仲介」と「買取」どちらが正解?〜リアルな相談事例で学ぶ売却戦略〜京都市で不動産を高く売るなら「仲介」と「買取」どちらが正解?〜リアルな相談事例で学ぶ売却戦略〜 | 京都の不動産・売却のことならセンチュリー21ライフ住宅販売
京都市で不動産を高く売るなら「仲介」と「買取」どちらが正解?〜リアルな相談事例で学ぶ売却戦略〜
お子様の進学や独立、あるいはご自身のキャリアプランの変化など、ライフステージの節目は、長年住み慣れた「我が家」について改めて考える大きなきっかけになります。先日も、「子どもたちの学費を考えると、少しでも資金を手元に残せるように、今の住まいを売却したい」というご相談を、京都市内にお住まいのご家族からいただきました。
1. 導入:ライフステージの変化と不動産売却
この記事では、このような実際の相談事例を基に、不動産売却を成功させるための重要な判断基準を、プロの視点から分かりやすく解説していきます。特に、歴史と文化が息づくこの京都市ならではの不動産市場で、ご自身の資産価値を最大限に引き出すための知識と戦略をお伝えします。
さて、売却を決意された方が最初に直面するのが、「どのように売るか」という、売却方法の選択です。この最初の決断が、実は売却の成否を大きく左右するのです。
2. メインセクション:成功する不動産売却の要点
2.1. 最初の決断:資産価値を最大化する「仲介」という選択肢
不動産の売却方法には、大きく分けて「仲介(ちゅうかい)」と「買取(かいとり)」の2つの方法があります。この選択が、最終的に手元に残る金額に直接影響するため、それぞれのメリット・デメリットを正しく理解することが不可欠です。
- 仲介(ちゅうかい)
メリット: 市場価格に近い、より高い価格で売却できる可能性が高い。
デメリット: 買い手が見つかるまで時間がかかることがある。売却成立時に仲介手数料が発生する。
買取(かいとり)
メリット: 不動産会社が直接買い取るため、すぐに現金化できる。手間や時間がかからない。
デメリット: 価格は市場価格より大幅に安くなる(ケースによっては数百万円単位で変わります)。
今回のお客様のように、「教育資金のため、少しでも多く資金を手元に残したい」という明確な目的がある場合、私たちは迷わず「仲介」をお勧めします。買取のスピード感は魅力的ですが、不動産会社は再販売して利益を出す必要があるため、どうしても買取価格は低くならざるを得ません。大切な資産の価値を最大化するためには、時間はかかっても、市場で正当な評価をしてくれる買い手様を探す「仲介」が、最適な選択肢と言えるでしょう。特に、後ほど詳しく解説するような、人気学区や優れた管理体制といった『目に見えにくい価値』は、不動産会社による『買取』ではほとんど評価されません。その価値を市場で正当に評価してもらうためにも、『仲介』が不可欠なのです。
では、仲介で進めると決めた後、次に重要になるのが「いくらで売り出すか」、つまり価格設定です。
2.2. 値付けの罠:高すぎる査定額が売却を遠ざける理由
「できるだけ高く売りたい」というのは、売主様であれば誰もが抱く自然な感情です。しかし、この「値付け」こそが売却の成否を分ける極めて重要なポイントであり、多くの落とし穴が潜んでいます。
実は、不動産業界には、まずお客様との契約を獲得することを優先し、意図的に相場よりも高い査定額を提示する会社も残念ながら存在します。20年間この仕事をしてきて、最も多く目にする失敗が、この「高すぎる査定額」を鵜呑みにしてしまい、売却の好機を逃すケースです。一見魅力的に聞こえる高い査定額ですが、これが売却活動の足かせになってしまうことが後を絶ちません。
高すぎる価格で売り出すことには、以下のような具体的なデメリットがあります。
初動の機会損失: 不動産売却は、売り出し開始から最初の2週間が最も注目を集めます。この時期に価格が高すぎると、見込み客からの問い合わせが全く来ず、最大のチャンスを逃してしまいます。
「売れ残り」の印象: 一度「市場で反応がない物件=売れ残り」という印象がついてしまうと、後から適正価格に値下げをしても、買い手の関心は鈍くなりがちです。最終的な売却価格の低下: 長期間売れない状況が続くと、売主様の焦りから最終的には相場よりも低い価格で妥協せざるを得なくなることも少なくありません。
プロの視点から断言します。成功する価格設定の唯一絶対の指標は、路線価や固定資産税評価額ではなく、「実際に近隣で成約した、生きた取引事例」、これ以外にありません。この客観的なデータに基づいて、専門家と共に戦略的な価格を決めることが、スムーズな売却への最短ルートなのです。
そして、その取引事例を正しく読み解き、強気ながらも的を射た価格を設定するためには、物件が持つ「京都ならではの価値」を深く理解することが絶対条件となるのです。
2.3. 京都という地の利:地域特性が資産価値を高める
一般的な不動産売却のセオリーだけでは、京都市の物件の真の価値は見抜けません。この街には、データだけでは測れない独自の価値基準が存在し、それが資産価値を大きく高める要因となり得ます。今回ご相談いただいたマンションにも、京都ならではの強みがいくつもありました。
人気学区の価値
今回ご相談のあった中学校区のように、京都市内には教育熱心なご家庭から根強い人気を誇る学区が存在します。
こうしたエリアの物件は需要が安定しており、景気の変動を受けにくく、資産価値が落ちにくいという大きな強みがあります。
築年数が経過していても、マンションの価値を維持、向上させる鍵は「管理組合の活動」にあります。今回のお客様のマンションでは、住民アンケートに基づき宅配ボックスを新設したり、オートロックを旧式の扉から自動ドアへ更新したりと、管理組合が非常に積極的に住環境の改善に取り組んでいました。特筆すべきは、住民の要望に応え、大きくなった子供用の電動アシスト自転車専用の駐輪スペースを新たに設けるなど、その対応のきめ細やかさです。このような活動は、物件の評価を大きく高めるプラス材料となります。
景観条例などにより、京都市の中心部では新しい大規模マンションを建設できる土地が限られています。そのため、利便性の高い立地で、かつ管理が行き届いた中古マンションは、現実的な選択肢として買い手から非常に魅力的に映ります。3000万円前後で中心部にマイホームが持てる、というのは、新築ではまず考えられない大きなアドバンテージなのです。
同じマンション内でも、わずかな違いが価値を左右することがあります。例えば今回のお部屋は6階でしたが、この建物では「6階以上かどうか」が日当たりに決定的な差を生んでいました。下の階は暗くなりがちですが、6階以上は非常に明るく、開放感があります。これは自動査定では決して評価されない、「微細な立地条件」です。地域を熟知した専門家は、こうした隠れた価値を見出し、価格交渉を有利に進めるための強力なアピールポイントとします。
こうした地域特性を深く理解し、売却戦略に織り込むことで、物件の価値を最大限に引き出すことができます。
3. まとめ:信頼できるパートナーと進める不動産売却
この記事では、実際の相談事例を基に、京都市で不動産売却を成功させるための要点をお伝えしてきました。その鍵は、以下の3つに集約されます。
1.目的に合った売却方法(仲介)の選択
2.データ(取引事例)に基づいた適正な価格設定
3.物件が持つ地域特性の深い理解
また、売却はゴールではありません。売却後の「住み替え先の賃貸探し」のご相談や、利益が出た場合の「税金の特別控除(3,000万円控除)」の手続きなど、売主様が直面する様々な不安や手続きにも、専門家は寄り添い、サポートします。
不動産売却は、お客様の人生における大きな決断です。だからこそ、表面的な査定額の高さだけで会社を選ぶのではなく、その地域の市場を誰よりも熟知し、お客様一人ひとりのご事情に真摯に耳を傾けてくれる、信頼できる不動産会社をパートナーに選ぶことが、何よりも重要であると私たちは考えています。
この記事を書いた人
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岩佐 英治(いわさ えいじ)
スタッフプロフィール -
京都市「京町家相談員」登録
京都市「空き家相談員」登録
2003年株式会社ライフ住宅販売に入社、住宅仲介営業を経て管理部門へ。
会社運営全般業務(人事・総務・物件販売企画)と並行して、空き家所有者や相続で不動産を取得された方への有効活用の提案を行う。センチュリー21では店舗部門の最高表彰である「センチュリオン」を3度獲得。
現在は、営業マンのお客様に対して、ライフプランニングのご提案など「営業マンの手の届かない、かゆいところに手が届く存在」として、お客様の幸せな将来づくりをお手伝いをしています。

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