京都市の空き家売却、知らないと損する「解体」と「仲介手数料」の補助金京都市の空き家売却、知らないと損する「解体」と「仲介手数料」の補助金 | 京都の不動産・売却のことならセンチュリー21ライフ住宅販売

京都市の空き家売却、知らないと損する「解体」と「仲介手数料」の補助金

京都市の空き家売却、知らないと損する「解体」と「仲介手数料」の補助金


1.
 相続した空き家をどのように売却していくか

近年、特に相続によって引き継がれることの多い京都市内の空き家。その所有者の多くが、まず「この古い家は、とりあえず解体して更地にした方が売りやすいのではないか?」という最初の岐路に立たされます。一見、合理的のようにも思えるこの判断ですが、実は大きな落とし穴が潜んでいるケースが少なくありません。

この記事をお読みいただくことで、ご自身の空き家にとって最善の売却戦略、見過ごしがちなリスク、そして京都市ならではの公的支援制度(2025年10月現在)について、具体的な理解を深めていただけることでしょう。大切な資産を最良の形で次に繋ぐための一助となれば幸いです。

2. 空き家売却を成功させるための3つの重要ポイント

2.1. ポイント1:最初の選択 ―「古家付き」か「更地」か、どちらが有利か?

空き家の売却を考え始めたとき、所有者様が下すべき最初の大きな決断は「建物をそのまま残すか、解体して更地にするか」です。この選択は、売却価格、売却までにかかる時間、そして最終的に手元に残る金額に直接影響を与える、極めて戦略的な意味を持ちます。

【メリット】古家付きで売却する場合

不動産業者の本音を言えば、「使える可能性がある建物は、ぜひそのまま残していただきたい」のです。その方が買主様の選択肢が広がり、結果として売却の可能性も高まります。

  • 多様な買主層へのアピール: 古い建物の趣を活かしてリフォームしたい個人から、自社の計画で解体したい建売業者まで、幅広い層が検討対象となります。特に、解体を計画している建売業者にとっても、自社の取引先で解体費用を見積もれるため、建物付きの方が事業計画を立てやすく、価格交渉の土台になる場合があります。

【注意点】解体して更地で売却する場合

良かれと思って先に解体してしまうと、いくつかのデメリットが生じる可能性があります。

  • 先行費用の発生: 京都市内での一般的な木造家屋の解体には、およそ150万円から200万円程度の費用がかかります。これは売却が成立する前に、所有者様が負担しなければならない大きな出費です。

  • 買主層の限定: 更地にしてしまうと、購入者のターゲットは主に新築を計画している個人や建築業者などに絞られてしまいます。リフォームして住みたいと考えていた潜在的な買主を、最初から排除してしまうことになるのです。

結論として、「安易な解体は、売主の費用負担を増やし、大切な売却機会を狭めてしまう可能性がある」ということです。もちろん、建物の状態によっては解体が最善の場合もあります。だからこそ、ご自身で判断される前に、まずは専門家と共にその資産価値を冷静に見極めることが第一歩なのです。そして、建物の状態だけでなく、京都の密集地ならではの、さらに注意すべき点があります。

2.2. ポイント2:見過ごし厳禁!京都市の密集地特有の「隣地トラブル」リスク

特に京都市内の歴史ある市街地では、家屋が隣と密接して建てられていることが少なくありません。こうした物件の売却や解体を進める際には、隣地との境界や物理的な接続部分が、予期せぬトラブルの火種となる可能性があります。このリスクを事前に把握し、適切に管理することが、スムーズな取引の鍵となります。

具体的には、以下のようなケースが考えられます。

  • 解体作業中の物理的損害: 隣家との壁が接している、あるいは非常に近い場合、解体作業の振動や重機の進入によって、隣家の外壁タイルやアプローチ(玄関までの通路)を傷つけてしまうリスクがあります。

  • 解体後の壁の処置問題: 長年お互いの家が支え合っていた壁を一方だけ解体した場合、残された隣家の壁の防水処理や補強をどうするか、という問題が発生することがあります。
  • 「覚え書き」の不在: 過去に隣地が解体された際などに、壁の所有権や将来の修繕について双方で「覚え書き」(将来の修繕や費用負担に関する双方の合意を書面にしたもの)といった書面を取り交わしていない場合、いざ自分が売却・解体する段になってから「言った・言わない」の争いに発展しかねません。

これらの問題は、買主にとって、購入を躊躇させる大きな懸念材料となります。だからこそ、売却活動を始める前に、隣地との境界や過去の取り決めについて現状を正確に把握しておくことが、買主への誠実な情報開示に繋がり、結果として円滑な取引を実現させるのです。

このような京都特有の密集地の事情は、全国展開の業者では見過ごされがちなポイントであり、地域に精通した専門家でなければ適切なリスク評価は困難です。この「地域性」こそが、次の補助金の話にも直結してきます。

2.3. ポイント3:知る人ぞ知る!京都市の補助金を最大限に活用する方法

不動産売却の成功は、単に「いくらで売れたか」だけで決まるものではありません。「どのような公的支援を受け、最終的にいくら手元に残せたか」という視点も同様に重要です。京都市には、空き家対策を目的とした手厚い補助金制度が存在しますが、その内容や適用条件を知らなければ、活用することはできません。

京都市が提供している主な補助金制度には、以下のようなものがあります。

  • 空き家等解体費用補助金: 危険な空き家の解体に対し、費用の一部として最大50万円が補助されます。

  • 空き家等仲介手数料補助金: 売却時の不動産会社への支払いを対象に、最大25万円が補助されます。

ここで特にご注意いただきたいのが、仲介手数料補助金を受け取るための決定的な条件です。

それは、「売却を依頼する不動産会社の本店が、京都市内にあること」という規定です。

この条件を知らないまま、「全国的に名前が知られているから」という理由だけで首都圏に本社を置くような大手不動産会社に依頼した結果、数十万円の補助金を受け取れなくなるケースが実際に発生しています。

このように、地域独自の制度を熟知したパートナーを選ぶか否かが、数十万円単位で最終的な利益を左右することになります。空き家売却は、物件そのものの価値だけでなく、こうした情報力も含めた総合的な戦略が成功の鍵を握っているのです。

3. まとめ

この記事でお伝えした3つのポイントは、それぞれ独立した知識ではなく、すべて「地域の実情を深く理解すること」の重要性を示しています。京都市における空き家売却を成功に導くためには、以下の視点が不可欠です。

  • 戦略的な現状維持: 安易に解体を決断せず、「古家付き」という選択肢が持つ価値と可能性を正しく理解すること。
  • 事前リスクの把握: 隣地との境界問題など、目には見えないトラブルの種を事前に確認し、対策を講じること。
  • 地域情報の活用: 京都市独自の補助金制度を熟知し、その恩恵を最大限に引き出せる地域密着型の専門家をパートナーに選ぶこと。

空き家売却は、単なる物件の処分ではなく、ご家族が築いてこられた大切な資産の価値を問い、最良の形で次代へ繋ぐための重要な決断です。ご不安や疑問を抱えながら、一人で悩む必要はありません。

まずはお気軽にご相談ください。私が、あなたの資産価値を最大化するお手伝いをさせていただきます。

この記事を書いた人

  • 岩佐 英治(いわさ えいじ)

    岩佐 英治(いわさ えいじ)

    スタッフプロフィール
  • 京都市「京町家相談員」登録
    京都市「空き家相談員」登録

    2003年株式会社ライフ住宅販売に入社、住宅仲介営業を経て管理部門へ。
    会社運営全般業務(人事・総務・物件販売企画)と並行して、空き家所有者や相続で不動産を取得された方への有効活用の提案を行う。センチュリー21では店舗部門の最高表彰である「センチュリオン」を3度獲得。
    現在は、営業マンのお客様に対して、ライフプランニングのご提案など「営業マンの手の届かない、かゆいところに手が届く存在」として、お客様の幸せな将来づくりをお手伝いをしています。

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